20140709

アザミ

[カテゴリ:店日記]
[コメント:]

私の愛読書に「聞き書 秋田の食事」なるものがございます。

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この中に気になる植物が出てくるのです。

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写真中央のきゃの汁の中身なのですが・・・

あざみの茎とあるのです。

これはなんだ?

聞いたコトもないし、食べたコトもない。

採っている人も見たコトないし、下処理の仕方もわかりません。

と、ずっと気になっていました。




今年の春、お客様と山菜の話しになりました。

その際に気になる山菜があると、

このお話しをしたら、

「家で毎年漬けてますよ」と言うのです。

こんな奇跡があるのかと思った瞬間でした。

この方の部落内でも今では2~3件しか採っていないそうです。

興奮冷めやらず、たくさん聞いてしまい戸惑ったかもしれませんが、

先日こちらのお客様より、

アザミのしっかりとしたレポートをいただきましたので、

ご紹介致します。

お客様の表現を引用させてもらいます。



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朝の宝仙湖をすぎて、山奥へむかいます。

朝は鏡のようになって美しいんです。

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家の狩り場です。

アザミは比較的日当たりの良いところに大きくなっています。


もうこの時点で素晴らしい場所にお住まいですね。

空、森、湖に囲まれた世界、なんと羨ましい。


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こちらが、立ちアザミです。

茎がしっかりしていて、虫が入らないうちの若いものを採ります。

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こちらは寝アザミで、採らないアザミです。


こういった情報が大事なのです。

とても丁寧に写真と説明をしてくれています。

もし、採りに行ったらこういう事で悩む時が結構あるのです。


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置き場を作って、そこで余分な葉っぱを落としてから持って帰ります。

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30~40cmくらいに揃えて帰ります。


現場での作業が、帰ってからの作業効率におおいに関係しそうですね。


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帰ったら、ばーちゃん達が剥きかたをはじめます。

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茎がわれてしまわないように、まずは潮水に剥いたものを入れていきます。

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アザミついでにホンナ、ヒデコ、ワラビなんかも片手間に採ります。

全て剥き終わったら、

アザミ→塩→アザミ→塩...と漬けていき、

最後に剥いた皮を1番上に多めにかぶせておきます。
(やらないと上のアザミが黒くなっちゃうそうです)

一週間くらいして、水がいっぱい出たら水を捨てて漬け直します。

次の春まで、ハタハタかやきや、味噌汁、炒め煮などで活躍します。



どうです?

素晴らしいでしょう!

この地域に根ざした郷土の保存食と知恵。

味は想像つきませんが、絶対に美味しいです。

ひとつの食べ方ではなく、様々な料理に欠かせない冬の食材になっております。

代々受け継ぎ、こちらのご家庭の春の行事にまでなっています。

山の恵みを必要な分だけ、採って保存する。

ずっと気になっていた分、

ここまで丁寧にレポートいただいたので

来年はぜひチャレンジしてみたいと思います。

S様、貴重な知恵と労力をありがとうございました。



何でも買うのは簡単です。

自ら汗をかくコトに、美味しさが凝縮されていくのです。

そして、秋田の長い冬の間

楽しみの味覚として、

春を待つ楽しみになり、

人生の生きがいのひとつになります。

だからこそ、恵みに感謝できるのです。


人生の優先順位を決めるのは、自分です。

もっとも低い順位を上げるには、何事も覚悟です。






アザミには『手間』が込められています。







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