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20140704

定休日

[カテゴリ:個人的なこと]
[コメント:]

TVの天気予報は30度を超えると告げていた定休日の昨日、

僕は山にバイクを走らせた。

HONDAのCRM250ARが僕の愛車だ。

型はもう古いがよく走る。

この日はご機嫌がよく、ぐんぐんとスピードにのる。

出羽丘陵広域農道の風となった僕は、流れる景色に目もくれない。

そんな時だ。


人里離れた山の一本道、

道端に三輪車が止まってたんだ。


僕は一度通り過ぎた。

しかし、頭の中に不安がよぎった。

最近頻発している熊の存在だ。

こんな炎天下の中、何か作業なんてしているわけがない!

僕は踵を返すようにエンジンブレーキをかけ、

300mは進んだであろう道を猛スピードで引き返す。


急いでいたものだからなかなか減速できず、

三輪車を10m程越してから止まった。

止まると同時にヘルメットの中は、汗ばみ出す。

すぐさまヘルメットを脱ぎ捨てる。

丘陵地帯の風が、僕の心配とは裏腹に通り抜ける。


三輪車まで近づくと後ろのカゴには、山の中で採ったであろう

蕗が3束、紐でくくられて入っている。

んっ、鎌も入っているではないか?!

柄の長い、いかにも蕗を切り採りやすい形状をしている。

柄と鎌の付け根には真っ赤なテープで補強がしてある。

鎌を積んであるなら、蕗なんてもう採っていないはずだ。

そう確信した僕は、ガードレールに身を投げ

緩やかに傾斜している沢を覗き込んだ。


いない。

どこを見渡しても人影すらない。

ただカサカサと青々と茂った葉の擦れる音が聞こえるだけだ。

ガードレールを超えて、沢を下ろうかと思った矢先、

ガサガサと左崖下からお婆さんが現れた。


僕には気づかないお婆さんは、手には何も持たずに

何かを探しているようだった。

ymnb1.jpg

miNca「ばっちゃ、何してら?」(お婆さん、何をしているんですか?)

ばっちゃ「兄さん、今何時だ?」(お兄さん、今何時でしょうか?)

miNca「10時半過ぎだどごだぁ」(10時半過ぎましたよ)

ばっちゃ「へばまずえさ帰って、昼がらまだくるべ」(一度家に戻って、昼にまた来ます)

miNca「なんぼ見だっていねがら、心配したべった~」(いないから心配したよ)

ばっちゃ「なんぼ見だって、どさ置いだがわがらねして」(どこにも無いんです)

ymnb2.jpg

キモチが良いほどに、話しが噛み合わない会話に

僕の緊張は一気に緩んだ。


蕗を束ねて山の中に置きながら採っていて、

帰ろうと思ったが、1束どこに置いたか忘れてしまい探していたと言うのだ。

ymnb3.jpg

帰り際に、

「こんたあっち日なば、水飲みながらやらねねっすど」に対し
(こんなに暑い日は水分を摂らないと脱水症状になりますよ)

「んだ、カゴさ水へでらがら」とお婆ちゃん。
(大丈夫、お水は自転車のカゴに入っていますから)

へば、まんずなぁ(それでは、さようなら)とバイクに向かう途中、

何気なくカゴを見たが水らしき物は入っていない事は言うまでもなく

水も山の中だなとヘルメットを被りながら思った定休日でした。



近隣にお店の無い地域では、こうして山の恵みを食べる分だけ

採っているのは素晴らしいコトです。

町場であれば、何だって手に入ります。

裏を返せば、同じ条件であれば僕なんかよりずっと

生きるコトに貪欲なのです。

自然と共にいるという自覚の強さは学ぶべき必須なコトだと感じます。



僕に無いモノしか持っていないこうした年配の方には尊敬の念しかない。

バイクを持ってて遠くに行くコトが出来て、

PCで世界の情報がすぐにわかって

携帯電話で買い物や友達とすぐにつながるコトが出来ても、

自然の中に放り出された明日には、その日の食料さえ確保できない

自分がいます。

きっとギリギリ今現在がこうした知恵のある方々と交流できる

最後の時代ではと思っています。

だから、こうやって休みの日に見知らぬ人達との会話が

何よりの楽しみでもあります。






ばっちゃには『可愛い』が込められています。






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