20130730

人から人へ

[カテゴリ:店日記]
[コメント:]

先月、一人掛け用ソファの張替えをお願いされました。

とても古いけど、しっかりしたフレームでした。

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このような低めの安楽出来る古いソファを自分も探していますが、

なかなか出会うコトがありません。

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北欧家具のデザインに似ていますが、福島県の家具屋さんが作ったモノ。

裏に社名のプレートがありました。

営業マン時代に何度かお世話になったコトがある会社でした。

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遠目には、まだまだ使えそうですが角の一番触れる場所は限界でした。

生地自体が古く、触れるとボロボロとなる感じです。

ご注文頂いたのは私よりも若い男性でした。

捨てるか、使うかを悩みに悩んで2脚張替えを頼んでいただきました。

このような古いソファを探してきて大事に使っているのを聞くと

何だかとても嬉しいキモチになります。



中古家具は、誰が使ったモノかわからないと敬遠されがちですが、

自分の変わりに何十年も育ててもらったと私は考えます。

キズもあれば、シミもある、けれどそれは人様のお役に立った証。



家具は飾るモノではありません。とことんまで使うモノ。

自分の一部の様に、安心して体を預け、時と共に手をかけていく。

そうすれば、どんどん自分のモノに、

どんどん家族の一員の様に暮らしに溶け込み、無くてはならないモノになっていきます。



時間はかかりましたが、その分とってもキレイに仕上がりました。

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座り心地が断然良くなりました。

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張り地は奮発していただき、グレードの高い生地を選んでいただきました。

オレンジとブラウンを選ぶセンス、見習わなければいけません。

お客様にお返しするのが嫌になるくらいに、気に入ってしまいました。

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これからは、ご自分の暮らしにもっと密着したソファになるコトを願っています。

ありがとうございました。




張替え後に職人さんとお話ししたコトを少し書かせてもらいます。

張り地を剥がした時、フレームに隠れるように56年前の製作年月日があったそうです。

お願いしている職人さんは還暦をとうに過ぎ、もうそろそろ引退を僕にほのめかすのですが、

この職人さん曰く、

「30歳で作ったとしても、今は86歳。40歳なら96歳だ。もう生きてないべな。」

56年前に作られたこのソファを自分が張り替える喜びを語ってくれました。

後継ぎのいらっしゃらない職人さんは、

「いい仕事をずっと続けていると、こうして良いモノを作った職人さんに出会える、

そして、その仕事に自分が手を加えるこの仕事は、なかなかやめられねぇんだよな~。

あなたが作った56年後に私が張替えしてますよって言いたくてプレートの電話番号に

電話したんだけど、つながらねんだー。」

そう、私が営業マンだった頃に倒産してしまったのです。

それを伝えるとがっかりしてましたが、

「羨ましい仕事です!僕にその技があるなら替りたいです。」と言うと

「俺はいい仕事してるから、こうやって巡り巡ってくるんだ、

おめはそれを届ける役目なんだから、それに今からじゃ俺の域に達するのは無理無理。」

と、軽くあしらわれてしまいました。

けど、まだまだこの仕事を辞める気はないなと、シメシメと思っております♪











家具には『職人さん』が込められています。








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